1996年
Reduction of Glucocorticoids by Spa Therapy in Patients with Steroid-Dependent Intractable Asthma(SDIA).
日本温泉気候物理医学会雑誌
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- 巻
- 59
- 号
- 4
- 開始ページ
- 201
- 終了ページ
- 208
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11390/onki1962.59.201
- 出版者・発行元
- The Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine
ステロイド依存重症難治性喘息 (SDIA) 患者33例について, 温泉療法による副腎皮質ホルモンの減量効果について検討した。対象となった気管支喘息の病型はIa-1 (単純性気管支攣縮型, 喀痰分泌量0-49ml/day) 型8例, Ia-2 (単純性気管支攣縮型, 喀痰分泌量50-99ml/day) 型8例, Ib (気管支攣縮+過分泌) 型7例, II (細気管支閉塞) 型9例であった。年齢, 喘息発症時の年齢, 血清IgE, IgG, IgA, IgM濃度, 肺機能, 肺胞洗 (BAL) 液の細胞分類について検討した。<br>1. II型喘息患者においては血清IgG, IgM濃度の低値, %FVC, FEVの低下, BAL液中の好中球の増加が認められた。Ib型においては血清IgA濃度の高値とBAL液中の好酸球増多が認められた。Ia-1型では年齢, 喘息発症時の年齢が最も若く, 血清IgE濃度が高値であった。SDIA患者のすべての病型において血清コルチゾール濃度は正常値以下であった。<br>2. すべての気管支喘息の病型において温泉療法により副腎皮質ホルモンの投与量を減量することが出来た。特に温泉療法の前後で比較するとIa-2型において著明に減量することが出来た。温泉療法により副腎皮質ホルモンの減量が奏功する病型としては奏功率が最も高いのはIa-2型 (87.5%) であり, 低いのはII型 (44.4%) であった。温泉療法による症状の改善率でみるとIa-2型とIb型が改善率100.0%であったが, Ia-1型とII型はいずれも66.7% (9例中6例) であった。これらの結果から, 温泉療法によりSDIAの患者の喘息発作の治療に用いる副腎皮質ホルモンの投与量が減量できることが示された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11390/onki1962.59.201
- ISSN : 0029-0343
- CiNii Articles ID : 130002043007