2011年7月
意思疎通の困難な小児神経疾患に対するMechanically Assisted Coughingの使用経験
こども医療センター医学誌
- 巻
- 40
- 号
- 3
- 開始ページ
- 185
- 終了ページ
- 190
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 神奈川県立こども医療センター
【目的】意思疎通の困難な小児神経疾患の急性呼吸不全に対するMechanically Assisted Coughing(MAC)の有効性と安全性を明らかにする。【対象】日常でMACを使用していない意思疎通困難な神経疾患児のうち、平成22年2月から5月に急性呼吸不全に対してMACを使用した当院に入院した症例を対象とした。【方法】診療録からの後方視的検討。MAC導入3日以内にPaCO2が20mmHg以上改善、SpO2≧95%となる酸素必要量の減少、P/F比100以上改善、5日以内に無気肺消失を認めた症例を有効、喀出量が増えたが有効と判定できない症例を境界、それ以外を無効として検討した。【結果】10例11回の入院でMACが施行された(0.2-20.4歳、中央値1.8歳)。autoモードで陽圧:陰圧:休止=1:1:2秒、圧±20-30cmH2Oで5呼吸を3-10サイクル、一日1-4セット施行した。有効5回、無効3回、境界3回であった。気胸や不整脈のような合併症は生じなかった。【結論】MACは意思疎通の困難な児の急性呼吸不全にも有効な例があり、安全に施行できることが分かった。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0301-2654
- 医中誌Web ID : 2012045525