共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年6月 - 2022年3月

中央代謝経路改造による物質生産効率強化への挑戦

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
18K19169
体系的課題番号
JP18K19169
配分額
(総額)
5,720,000円
(直接経費)
4,400,000円
(間接経費)
1,320,000円

メタノール資化性菌のモデル微生物であるMethylorubrum extorquens はメタノールを炭素源にして生育中、生分解性ポリエステルであるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を体内に蓄積するが、PHA生産経路を強化するとメタノール生育能が低下することが問題となっている。そこで本研究は本菌の物質生産経路とメタノール資化経路を分離するために、PHAをはじめとした物質生産経路として利用可能なメタノール中央代謝経路を破壊した株においてメタノール資化能を相補させるための代替資化経路の構築を目的としている。
2019年度までに、Methylorubrum extorquensのメタノール中央代謝破壊株内で代替となるメタノール資化経路の鍵酵素を導入した株を構築し、メタボローム解析を実施した。さらに、代替資化経路導入株内でペントースリン酸経路またはペントースリン酸経路の酵素遺伝子の発現を試みた。
これまでに、これら組換え株について、導入遺伝子産物の検証、メタノール消費量測定、メタボーム解析を実施した。その結果、ペントースリン酸経路強化株においては導入した遺伝子の発現を確認することができなかった。一方で、解糖系の遺伝子産物は活性レベルが顕著に増加していた。また、代替資化経路導入株と比較してメタノール消費速度が上昇していたが、メタボローム解析から予想に反して各種糖リン酸濃度が低下していることが明らかになった。
また、本菌が保持する希土類元素依存のメタノールデヒドロゲナーゼを機能発現させるためにこれまで構築した組換え株をランタンイオン添加条件で培養したが、メタノール生育は観察されなかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K19169
ID情報
  • 課題番号 : 18K19169
  • 体系的課題番号 : JP18K19169