2020年4月 - 2024年3月
薬剤耐性肺炎球菌のin vivo MS解析とキューブ型DNA抗菌薬の開発研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
誤嚥性肺炎に代表される肺炎は,薬剤耐性菌の増加により重症化している.日本政府・WHO等は,耐性菌による肺炎の制御を人類の最重要課題と定めている.申請者は,若手Aから発展させた5回の基盤Bで,好中球と病原細菌のせめぎ合いを独自に解析してきた.その結果,肺炎球菌だけが自己溶菌する細菌であり,溶菌で漏出する細菌分子を活用して免疫系を無力化し,組織傷害を果たすというin vitroでの知見を得た.本研究では,未だ詳細不明なin vivoにおける耐性肺炎球菌による肺炎の重症化機構を解析し,耐性菌による肺炎の治療基盤を構築する.具体的には,耐性肺炎球菌の肺感染マウス系を確立後,肺胞中の耐性菌とマウスの両分子群をiTRAQ-MS/MS法で網羅同定した後,耐性菌とマウスの両分子群の動態を多分子同時解析装置で詳細分析する.そして,肺炎の重症化に関与する分子を治療標的として選出し,萌芽研究のin vitro系で確立し,特許出願したDNA立体化技術を用い,in vivo系において耐性肺炎球菌の病原因子のみを特異的に制御する抗菌薬の開発を期す.
今年度は,耐性肺炎球菌の病原分子候補の網羅解析に注力した.すなわち,耐性菌の病原分子候補の組換えタンパクを現有機器のLuminex装置にて,多分子同時相互作用解析した.病原分子候補を96ウェルプレートに分注し,それぞれに好中球および肺胞上皮細胞株を添加した.続いて,Luminex装置にて,同一条件下でサイトカインおよび傷害され漏出するミトコンドリア等の内在タンパク質を同時定量し,有意なマウスのin vivo感染マーカーを決定を試みた.さらに,現有設備のBiacoreにて分子間相互作用解析およびWestern blot解析やELISA解析を行い,マウス組織に結合および分解する耐性肺炎球菌の病原分子群を選出した.
今年度は,耐性肺炎球菌の病原分子候補の網羅解析に注力した.すなわち,耐性菌の病原分子候補の組換えタンパクを現有機器のLuminex装置にて,多分子同時相互作用解析した.病原分子候補を96ウェルプレートに分注し,それぞれに好中球および肺胞上皮細胞株を添加した.続いて,Luminex装置にて,同一条件下でサイトカインおよび傷害され漏出するミトコンドリア等の内在タンパク質を同時定量し,有意なマウスのin vivo感染マーカーを決定を試みた.さらに,現有設備のBiacoreにて分子間相互作用解析およびWestern blot解析やELISA解析を行い,マウス組織に結合および分解する耐性肺炎球菌の病原分子群を選出した.
- ID情報
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- 課題番号 : 20H03858
- 体系的課題番号 : JP20H03858