ウラン標準粒子の作成と二次イオン質量分析法による同位体比分析
日本放射化学会第66回討論会(2022)
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- 開催年月日
- 2022年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 東京
- 国・地域
- 日本
環境試料中に存在する微小ウラン粒子に対する同位体比をマルチコレクター型大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)で正確に分析するためには、ウラン同位体組成が既知のウラン標準粒子を用いて、感度やマスバイアスの違いなどを補正することが必要である。ウランを含む標準粒子の製造は同位体組成が既知のウラン標準溶液のエアロゾルを乾燥させて得る手法を主として用いている。しかし、霧状のウラン標準溶液から粒子を製造するには特殊な設備が必要であり、容易に製造することができないため、入手可能な標準粒子の同位体組成は限定されてしまう。そこで、ウラン同位体標準溶液を多孔質の微細シリカ粒子に浸透させることで同位体標準粒子と同等の試料を作成する簡便な方法を発案するとともに、LG-SIMSにおける同位体標準粒子として利用することを目指した。得られた含浸シリカ粒子をガラス状炭素の試料台に乗せて、LG-SIMSの二次イオンイメージ機能を用いてウランを含む粒子の位置を特定したのち、ウラン同位体組成を測定した。含侵粒子のウラン同位体組成測定結果は、同位体標準溶液の保証値に対して標準偏差の1$\sigma$範囲で一致する良好な結果が得られた。このことから、本実験から既存の標準溶液を利用して簡便な方法でウラン同位体の測定標準粒子を作成することが可能となった。