2020年4月 - 2023年3月
無意識的な模倣が生じるメカニズムの解明-行動指標と近赤外分光法による検討-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
令和3年度は主に,他者が腕を使って連続的にキーを押す系列動作を観察し遂行する課題を用いて,身体運動への無意識的な模倣の心的メカニズムとその脳神経基盤を検証可能な実験課題の確立を目指した。研究の具体的な内容を以下に示す。
まず前年度に使用した観察運動課題の実施中に実際の他者の存在が与える影響について予備的実験を実施した(実験参加者数:10名)。観察運動課題とは,手指の細かな運動を用いた多くの先行研究とは異なり,腕全体を使用する連続的な動作を観察後に,視覚提示される手がかり数字によって指示された左からの順で”1”から”3”の反応キーをできるだけ早くかつ正確に押すという課題である。一致条件では,実験参加者はモデル人物の動作を模倣するようにして数字を順に押すことを求められる。これに対して不一致条件では,実験参加者は観察した動作の順序とは異なる順序で反応キーを押すことを求められる。令和2年度の研究において,無意識的に思わず観察した動作に同調してしまう自動的模倣が生じ,不一致条件の反応時間が一致条件のそれよりも遅くなることは確認している。令和3年度は,この結果がモデル人物が実際のヒトである条件下においても再現されるのか否かを検討するために予備的実験を実施した。その結果,実験参加者のサンプルサイズはまだ小さいが,モデル人物が映像として視覚提示される条件よりも強く自動的模倣の効果が現れる可能性が確認された。
まず前年度に使用した観察運動課題の実施中に実際の他者の存在が与える影響について予備的実験を実施した(実験参加者数:10名)。観察運動課題とは,手指の細かな運動を用いた多くの先行研究とは異なり,腕全体を使用する連続的な動作を観察後に,視覚提示される手がかり数字によって指示された左からの順で”1”から”3”の反応キーをできるだけ早くかつ正確に押すという課題である。一致条件では,実験参加者はモデル人物の動作を模倣するようにして数字を順に押すことを求められる。これに対して不一致条件では,実験参加者は観察した動作の順序とは異なる順序で反応キーを押すことを求められる。令和2年度の研究において,無意識的に思わず観察した動作に同調してしまう自動的模倣が生じ,不一致条件の反応時間が一致条件のそれよりも遅くなることは確認している。令和3年度は,この結果がモデル人物が実際のヒトである条件下においても再現されるのか否かを検討するために予備的実験を実施した。その結果,実験参加者のサンプルサイズはまだ小さいが,モデル人物が映像として視覚提示される条件よりも強く自動的模倣の効果が現れる可能性が確認された。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K12581
- 体系的課題番号 : JP20K12581
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Frontiers in Psychology 14 1-12 2023年10月 査読有り筆頭著者