2020年4月 - 2023年3月
化学物質の濃度低減による水生生物の保全効果を全国約3000河川地点で推定する
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
水生生物保全を目的とした水質環境基準の維持・達成のために、化学物質の排水規制を検討する上で、その実質的な保全効果は考慮されない。しかし、様々な人為的攪乱の影響を受ける河川において、特定の化学物質だけに着目した排水規制は、どの程度の水生生物の保全効果をもたらすのだろうか。本研究の目的は、全国の河川の約3000箇所の水質測定地点(環境基準点)を対象に、任意の化学物質の濃度が低減された際の水生生物の保全効果(回復のポテンシャル)をその物理化学的及び生物学的特徴から定性・定量的に明らかにすることである。
本年度は、昨年度整備した全国の河川2925箇所の水質測定地点(環境基準点)の位置情報等をダブルチェックし、物理化学的特徴(集水域面積、標高、集水域及び 3 km 周囲の土地利用割合、及び生物化学的酸素要求量(BOD)等の水質項目)の整備を完了した。整備したデータを用いて、ランダムフォレストによる多重代入法で欠損値を補い、階層的クラスター分析によって、水質測定地点を「都市の都市利用が卓越し水質悪化が懸念されるグループ」など特徴的な4つのグループに分類した(論文投稿中)。整備したデータは、以下のサイトで公開している(https://github.com/yuichiwsk/WQMonitoringSites_Japan)。
底生動物の平均スコア予測モデルの構築については、解析対象地点の抽出を進め(約240地点)、これら地点の物理化学的特徴(上述)の推定を行った。また、愛知県の河川を対象に、河川水辺の国勢調査における底生動物調査が実施されていない水質測定地点を10箇所選出し、底生動物調査を実施した。さらに、栃木県、宮崎県、川崎市、福岡県で実施された既往の底生動物結果も収集し、電子データとして整備した。これらの収集した調査結果は、構築を進めている底生動物の平均スコア予測モデルの検証に用いる。
本年度は、昨年度整備した全国の河川2925箇所の水質測定地点(環境基準点)の位置情報等をダブルチェックし、物理化学的特徴(集水域面積、標高、集水域及び 3 km 周囲の土地利用割合、及び生物化学的酸素要求量(BOD)等の水質項目)の整備を完了した。整備したデータを用いて、ランダムフォレストによる多重代入法で欠損値を補い、階層的クラスター分析によって、水質測定地点を「都市の都市利用が卓越し水質悪化が懸念されるグループ」など特徴的な4つのグループに分類した(論文投稿中)。整備したデータは、以下のサイトで公開している(https://github.com/yuichiwsk/WQMonitoringSites_Japan)。
底生動物の平均スコア予測モデルの構築については、解析対象地点の抽出を進め(約240地点)、これら地点の物理化学的特徴(上述)の推定を行った。また、愛知県の河川を対象に、河川水辺の国勢調査における底生動物調査が実施されていない水質測定地点を10箇所選出し、底生動物調査を実施した。さらに、栃木県、宮崎県、川崎市、福岡県で実施された既往の底生動物結果も収集し、電子データとして整備した。これらの収集した調査結果は、構築を進めている底生動物の平均スコア予測モデルの検証に用いる。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K12213
- 体系的課題番号 : JP20K12213
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
水環境学会誌 45(5) 231-237 2022年9月 査読有り筆頭著者責任著者
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Journal of MMIJ 138(3) 28-32 2022年3月31日 査読有り筆頭著者責任著者