2019年4月 - 2023年3月
がんの原発巣高速診断を実現するオンチップリキッドバイオプシーの構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本年度当初は、昨年度に引き続き、各部位のがん環境下での細胞の動態と応答特性を評価することを目的とし、細胞が産生するサイトカインや発現するたんぱく質などを評価した。具体的には、卵巣がん、肺がん、胃がん、腎臓がん、大腸がんの培養上清を回収し、回収した上清を細胞の培養液に添加することによって、細胞を疑似的にがん環境中で培養した。昨年度の結果と同様に、がん種によって産生されるサイトカインに違いが出ることが示唆されたが、実験毎に多少のバラツキが存在することが明らかになった。本検証は本研究を推進する上で重要な部分であるため、次年度も実験回数を増やし再現性を確認すると共に統計学的有意差などを用いて評価を進める予定である。
また、年度後半には、検出用デバイスの構築を開始した。デバイスはフォトリソグラフィを主としたマイクロ加工技術を用いて製作した。本デバイス上で培養した細胞は顕微鏡での観察などを行うため、顕微鏡での観察を考慮して透明のPDMS構造体とガラス基板から成るデバイスを製作した。デバイス内での細胞の接着性を向上させるため、フィブロネクチンをコーティングした。デバイス内にセンシング用の細胞を播種し1日間静置培養を行ったところ、デバイス内に強固に接着し培養できることを確認した。さらに、構築したデバイス内にセンシング用細胞を培養し、そのデバイスに卵巣がん細胞の培養上清を導入した。この際、センシング用細胞が応答して産生するサイトカインをELISAにより、発現したたんぱく質を蛍光免疫染色により評価した。その結果、デバイスを用いた評価でも事前検証と同様の応答を示すことを明らかにした。また、デバイスを用いることで効率的に産生物質を検出できることも明らかになった。
また、年度後半には、検出用デバイスの構築を開始した。デバイスはフォトリソグラフィを主としたマイクロ加工技術を用いて製作した。本デバイス上で培養した細胞は顕微鏡での観察などを行うため、顕微鏡での観察を考慮して透明のPDMS構造体とガラス基板から成るデバイスを製作した。デバイス内での細胞の接着性を向上させるため、フィブロネクチンをコーティングした。デバイス内にセンシング用の細胞を播種し1日間静置培養を行ったところ、デバイス内に強固に接着し培養できることを確認した。さらに、構築したデバイス内にセンシング用細胞を培養し、そのデバイスに卵巣がん細胞の培養上清を導入した。この際、センシング用細胞が応答して産生するサイトカインをELISAにより、発現したたんぱく質を蛍光免疫染色により評価した。その結果、デバイスを用いた評価でも事前検証と同様の応答を示すことを明らかにした。また、デバイスを用いることで効率的に産生物質を検出できることも明らかになった。
- ID情報
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- 課題番号 : 19H04489
- 体系的課題番号 : JP19H04489