2016年4月 - 2020年3月
炭素循環コプロダクション型水素製造システムの研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
地球温暖化対策の本質は化石燃料から排出される二酸化炭素のゼロエミッション化およびカーボンニュートラル循環の構築である。
本基盤研究Aでは①水素と②有価な機能性ナノ炭素材料をゴミやバイオマス等の安価炭化水素原料から同時製造(コプロダクション)することにより②の経済的利潤を①に還元することで水素の安価量産化を可能とすることを目的としている。原料炭化水素中の炭素を従来のガス改質の様に二酸化炭素として排出するのではなく、経済的利潤が得られる機能性炭素材料として固定化・循環することで、トータルシステムとして、社会的課題である水素製造の低コスト化と、水素製造時の二酸化炭素のゼロエミッション化を実現する、画期的な炭素循環コプロダクション型水素製造技術を開拓する。特に多元研・本間研の独自技術である水熱電気化学法を用いて高温・高圧の亜臨界水状態で炭化水素原料を溶かした水溶液を電気分解することにより水素とダイヤモンドなどの高付加価値炭素のコプロダクションを実現する。平成29年度は研磨した酢酸水溶液を加圧型オートクレーブ電解槽を用いて300℃の亜臨界水状態に保持して、これに白金基板を用いた陰極上にグラフェンを電解析出させることに成功した。水溶液からの電析でグラフェンを作製したのは世界的にも初めての実験例であり、常温の水と物理化学液性質が異なる亜臨界水が機能性ナノカーボンを合成するのに革新的な反応溶媒であることを実証した。このような亜臨界水中での電気化学的な機能材料合成プロセスは未開拓であり、このような反応媒体を用いた新材料合成プロセスの開発に期待がかかる。さらに、同時に水素も生成していることが判明したため、これらの生成効率の検討を行った。水素とグラフェンのコプロダクションを実証できた
本基盤研究Aでは①水素と②有価な機能性ナノ炭素材料をゴミやバイオマス等の安価炭化水素原料から同時製造(コプロダクション)することにより②の経済的利潤を①に還元することで水素の安価量産化を可能とすることを目的としている。原料炭化水素中の炭素を従来のガス改質の様に二酸化炭素として排出するのではなく、経済的利潤が得られる機能性炭素材料として固定化・循環することで、トータルシステムとして、社会的課題である水素製造の低コスト化と、水素製造時の二酸化炭素のゼロエミッション化を実現する、画期的な炭素循環コプロダクション型水素製造技術を開拓する。特に多元研・本間研の独自技術である水熱電気化学法を用いて高温・高圧の亜臨界水状態で炭化水素原料を溶かした水溶液を電気分解することにより水素とダイヤモンドなどの高付加価値炭素のコプロダクションを実現する。平成29年度は研磨した酢酸水溶液を加圧型オートクレーブ電解槽を用いて300℃の亜臨界水状態に保持して、これに白金基板を用いた陰極上にグラフェンを電解析出させることに成功した。水溶液からの電析でグラフェンを作製したのは世界的にも初めての実験例であり、常温の水と物理化学液性質が異なる亜臨界水が機能性ナノカーボンを合成するのに革新的な反応溶媒であることを実証した。このような亜臨界水中での電気化学的な機能材料合成プロセスは未開拓であり、このような反応媒体を用いた新材料合成プロセスの開発に期待がかかる。さらに、同時に水素も生成していることが判明したため、これらの生成効率の検討を行った。水素とグラフェンのコプロダクションを実証できた
- ID情報
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- 課題番号 : 16H01795
- 体系的課題番号 : JP16H01795