論文

2020年3月

ATP合成酵素とPGKから進化したMycoplasma mobile滑走モーターの構造

日本マイコプラズマ学会雑誌
  • 豊永 拓真
  • ,
  • 加藤 貴之
  • ,
  • 川本 晃大
  • ,
  • 浜口 祐
  • ,
  • 古寺 哲幸
  • ,
  • 安藤 敏夫
  • ,
  • 難波 啓一
  • ,
  • 宮田 真人

46
開始ページ
44
終了ページ
46
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本マイコプラズマ学会

魚に感染するMycoplasma mobileは、宿主細胞表面上で独自の運動システムによって滑走する。滑走を駆動するモーターは菌体内部でATPを加水分解して力を発生し、菌体表面のあしを動かす。本研究では、クライオ電子顕微鏡法を用いてモーターと考えられる粒子の三次元構造を6.4Åの分解能で解明した。M.mobileのモーターは、回転モーターであるATP合成酵素によく似た2つの六量体から、4つのホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)が突き出た構造であった。この構造は、M.mobileのモーターがATP合成酵素とPGKから進化し、回転メカニズムによって滑走のための力を発生していることを示唆している。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1340-2382
  • 医中誌Web ID : 2020228543

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