講演・口頭発表等

2012年6月

薬物過量服用患者の医療機関による搬送および受入状況に関する検討

第15回日本臨床救急医学会総会
  • 義江 修
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  • 窪田 愛恵
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  • 森田 正則
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  • 中江 晴彦
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  • 田口 博一
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  • 森本 剛
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  • 平出 敦
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  • 林田純人

主催者
第15回日本臨床救急医学会総会
救急患者の医療機関の受入に関する問題は喫緊の課題である。特に、薬物過量服用の患者の搬送、および受入の状況は、特に救急応需の問題点を浮き彫りにしており、実態を明らかにする必要がある。大阪市消防局の搬送記録データを用いて薬物中毒の搬送状況を検討した。2007年のすべての救急搬送数は173,923件で、うち急性薬物中毒の搬送数は1,737件であった。すべての患者の平均年齢が52.6±25.1歳であり、女性が45%であるのに対して、薬物中毒例では36.1±16.0歳、女性が73.6%と特徴的であった。傷病程度は軽傷44.0%、中等症55.2%、重症0.3%、死亡0.3%であり、すべての救急患者の分布(軽傷62.5%、中等症35.7%、重症0.9%、死亡0.8%)と比較しても、必ずしも重症例が多いわけではなかった。その結果、診療科目は内科が1308件と圧倒的に多く、救命救急センターへの搬送は、限られていた。連絡回数は4.7±6.1回、病院までの到着時間は34.8±11.4分と、すべての救急患者の1.8±2.1回、25.6±9.6分を、あきら