医学技術の進歩により、小児がんを含む小児慢性疾患を有する患者の成人期までの生存率は飛躍的に向上している。しかし、生存者は必ずしも健常者と同様の生活を送れるわけではない。医学的なケアに含め、小児期の発症による教育や就労に際して、多くの社会福祉的支援を必要としている。従来は、医学的ケアの対象としてのみ着目されてきたが、成人期以降に潜在する社会福祉ニーズについて分析を試みるため、先行研究を整理し、生活課題を明らかにしようとする試みである。