2020年4月 - 2024年3月
元素徐放型高密着バイオアクティブコーティングによるインプラントへの機能付与
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
チタン製歯科インプラントの骨との迅速・強固な結合およびインプラント周囲炎予防を目的として、チタンへの生体内溶解性ガラス組成の検討およびそのコーティングプロセスを検討した。コーティング膜組成として、骨適合性と生体内溶解性を有するSi-Ca-P-O系生体活性ガラスをベースとし、抗菌性元素(X)、骨形成能向上元素(Y)および溶解性制御元素(Z)を添加したSi-Ca-P-O-X-Y-Z系ガラスに着目した。
コーティング膜組成決定のために、ゾルゲル法にて元素添加生体活性ガラス粉末を合成した。本生体活性ガラス系において、ガラス中に固溶する元素、リン酸カルシウム系結晶相の形成を促進する元素を定量的に明らかした。擬似体液中への溶解性を評価したところ、抗菌性元素の徐放が確認され、抗菌性の発現が期待できる。
コーティングプロセスとしては、ゾルゲル・ディップコーティング法を用いた。本プロセスは安価で簡便にガラスやセラミックスコーティング膜を作製できるものの、基板との密着力が低いことが知られている。そこで、基板であるチタンを活性化処理し、中間層を作製することで、基板と化学的に結合した生体活性ガラスコーティング膜作製を試みた。ゾル組成やディップコーティング条件を制御することで、膜厚数マイクロメートルの均一なコーティング膜作製条件を見出すことができた。
今後は、粉末合成により明らかにした組成の生体活性ガラスをチタン基板上にコーティングし、基板との密着力、擬似体液における溶解性、抗菌性、細胞培養試験による骨適合性を評価する。
コーティング膜組成決定のために、ゾルゲル法にて元素添加生体活性ガラス粉末を合成した。本生体活性ガラス系において、ガラス中に固溶する元素、リン酸カルシウム系結晶相の形成を促進する元素を定量的に明らかした。擬似体液中への溶解性を評価したところ、抗菌性元素の徐放が確認され、抗菌性の発現が期待できる。
コーティングプロセスとしては、ゾルゲル・ディップコーティング法を用いた。本プロセスは安価で簡便にガラスやセラミックスコーティング膜を作製できるものの、基板との密着力が低いことが知られている。そこで、基板であるチタンを活性化処理し、中間層を作製することで、基板と化学的に結合した生体活性ガラスコーティング膜作製を試みた。ゾル組成やディップコーティング条件を制御することで、膜厚数マイクロメートルの均一なコーティング膜作製条件を見出すことができた。
今後は、粉末合成により明らかにした組成の生体活性ガラスをチタン基板上にコーティングし、基板との密着力、擬似体液における溶解性、抗菌性、細胞培養試験による骨適合性を評価する。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H02448
- 体系的課題番号 : JP20H02448
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Materials Science and Engineering: C 109 110599-110599 2020年4月 査読有り