2007年
保育者養成校に通う学生のアイデンティティと職業認知の構造
発達心理学研究
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- 巻
- 18
- 号
- 3
- 開始ページ
- 196
- 終了ページ
- 205
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.11201/jjdp.18.196
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本発達心理学会
本研究の目的は,保育者養成校に通う学生のアイデンティティと職業認知の因果構造を解明し,養成校において如何なる支援が有効か考えるための1つの資料を提示することである。アイデンティティの測定には谷(2001)の多次元自我同一性尺度(MEIS)を用い,特性論の観点から検討を試みた。対象は養成校卒業期にある学生1,083名であった。分析には主に共分散構造分析を用い,アイデンティティと職業認知に関わる諸変数の因果関係を同定することを目指した。その結果(1)「同一性の感覚」が「保育職の理解」,及び「保育職の適性感」に正の影響があること,(2)「保育職の適性感」は「充実感・満足感の予期」,「関心・興味」,及び「保育職へのコミットメント」に正の影響があること,そして,(3)「関心・興味」は「保育職へのコミットメント」,及び「継続の意思・ウェイト」に正の影響をもたらすことなどが示唆された。保育者養成における自我形成の重要性と,「保育職の適性感」等の職業認知に焦点をあてた支援の必要性が示されたと言える。これらの結果について,入学期の知見(西山・田爪・富田,2006)と比較しつつ,心理社会的な観点から若干の考察を加え,今後の研究課題を示した。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11201/jjdp.18.196
- ISSN : 0915-9029
- CiNii Articles ID : 110006531997
- CiNii Books ID : AN10229548