1982年4月
【論文】生き延びる戦略としての喜劇的行動様式 S. N. Behrman, The Second Man試論
- 担当区分
- 単著
- 出版者・発行元
- 北海道大学英語英米文学研究会
- 記述言語
- 日本語
- 著書種別
- 学術書
西欧世界の支配的な知の枠組として、人間中心的な悲劇的人間観・世界観があったが、近年、人間の自然に対する優位を説く悲劇的伝統に対し、人間と自然の融和をはかり、生命に対して謙虚な周囲の環境と調和した生き方を良しとする、喜劇的価値観が脚光を浴びてきた。アメリカの数少ない風習喜劇の作家、バーマンの『第2の男』(1927年)も、人が生き延びるためには、このような喜劇的行動様式こそ望ましいという新しい知の枠組を提唱していることを明らかにした。