共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年6月 - 2021年3月

金属中心キラリティーの精密制御に基づく配位アシンメトリーの新展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
16H06509
体系的課題番号
JP16H06509
配分額
(総額)
169,390,000円
(直接経費)
130,300,000円
(間接経費)
39,090,000円

本研究は、金属元素を立体制御、反応場、物性発現の場と捉え、これまで未開拓であった金属錯体における非対称配位圏の設計・合成と異方集積化法を理論・実験・計測により開拓することを目的とした。
2018年度はまず、四面体型の亜鉛およびオキソバナジウム(V=O)錯体の金属中心キラリティーの動的平衡制御と不斉触媒反応を中心に焦点を当てた。2017年度に亜鉛錯体の亜鉛中心キラリティーの制御に成功したが、今年度はこれを不斉反応に応用し、高い不斉収率を得ることができた。これは我々が知る限り、四面体型キラル金属錯体の動的平衡制御に基づく不斉触媒反応の最初の例である。また、アキラルな非対称二座配位子を用いたキラルなオキソバナジウム錯体の合成と構造決定が挙げられる。バナジウムイオンとの親和性の高いフェノール性アルコラートを配位ドナーとする非対称二座配位子を合成し、そのオキソバナジウム錯体の合成と単離に成功し、その溶液内構造と結晶構造を決定した。
これら以外に、多孔性超分子結晶の不斉空間構築、異なる多孔性超分子結晶のチャネルが連結したコア・シェル型多孔性超分子結晶内の一方向物質輸送とタンデム反応、金属錯体型人工DNAを鋳型とする金属クラスターの合成、カルベン型配位子を用いた炭素中心の金(I)クラスターの合成、金属錯体によるマルチギアシステムの非対称化と運動制御に関する研究を推進し、基本構造単位となる金属錯体の非対称配位圏構造と集積体の構造・機能相関を調べた。今年度の研究実績の一部は、国際学術誌3報に発表され、国内外で高く評価されている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-16H06509
ID情報
  • 課題番号 : 16H06509
  • 体系的課題番号 : JP16H06509