1999年 - 2000年
19世紀転換期ベルリン文壇の諸相を探る-フォス新聞研究を中心に-
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 11610525
- 体系的課題番号
- JP11610525
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 2,000,000円
- (直接経費)
- 2,000,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究では、ドイツで最古の伝統を誇る『フォス新聞』の変遷と、新聞を中心媒体とした世紀転換期ドイツ文壇の状況を明らかにすることを目的としてきた。その結果として、以下に列挙する事項が明らかとなった。-(1)『フォス新聞』はベルリン最古の印刷新聞『フリッシュマン新聞』(1617)にまで遡る歴史を持ちながら、フォス新聞社自身の認識では、1704年に新聞発行を引き継いだリューディガーを創業者と見なすことにより、それ以前の複数の新聞発行者達及びその新聞との直接的な関係を否定していること。即ち『フォス新聞』自身が様々な内部抗争の末リューディガーにより「統一」された事実。-(2)1748年までの当局による厳しい検閲により、国内政治報道は規制され、その代償として、やむなく文芸欄を中心とする教養記事の充実を図らざるを得なかったこと。つまり、政治記事の挫折から文芸記事へと逃避していった過程は、直後に勃興するドイツ・ロマン主義を克明に先取りしていたこと。-(3)政治的主張に固執しない教養主義的編集方針故に可能となるのだが、ある時期は民衆寄り、またある時期は政府寄りという具合に社会情勢の流れを敏感に感じ取った巧みな紙面を構成したこと。-(4)教養欄が依然として高い水準を保っていたにも拘わらず、予想外の早い廃刊を迎えるが、その背景として、1911年に新聞経営権がフォス家の流れをくむレッシング家からウルシ...
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- ID情報
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- 課題番号 : 11610525
- 体系的課題番号 : JP11610525