MISC

2018年10月

矯正装置の審美性に関する研究―分光光度計による客観的評価とVAS法による主観的評価―

第77回日本矯正歯科学会学術大会, 横浜
  • 川村尚彦
  • ,
  • 飯嶋雅弘
  • ,
  • 小林成匡
  • ,
  • 山崎敦永
  • ,
  • 溝口到

開始ページ
280
終了ページ
280
記述言語
日本語
掲載種別
研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
出版者・発行元
(公社)日本矯正歯科学会

【目的】近年、矯正装置への高い審美性が要求されてきている。それに伴い様々な審美ブラケット・ワイヤーが市販されているが、どの製品が審美性に優れるかは判断する者の主観に拠るところが大きい。本研究では、ブラケットとワイヤーの色を定量化して客観的評価を行い、主観的な審美性評価との関連について調べた。【資料および方法】市販のブラケット5種類(セラミックブラケットC1、C2、C3、プラスチックブラケットP1、P2)とワイヤー3種類(コーティングニッケルチタンワイヤーW1、W2、W3)を用いた。各試料の色(明度:<I>L*</I>、色相:<I>a*</I>、<I>b*</I>)と反射率(%)を紫外可視分光光度計UV-2600(島津製作所)で定量した(n=5)。検定には、一元配置分散分析およびTukey検定(P<0.05)を用いた。エポキシ製顎模型の前歯部に各ブラケットを接着し、各ワイヤーを透明のエラストメトリックリガチャーで結紮した状態で写真撮影を行った。ブラケットとワイヤーの組み合わせは15通りとなった。撮影した写真を提示し、iPad用アプリケーション「VasQ Clinical(ボトルキューブ)」を用いてVAS法による審美性評価を実施した。歯科矯正治療未経験者10名と矯正歯科医10名より回答を得た。平均VASスコアを算出し、ブラケットおよびワイヤーの色や反射率との関連について考察した。本演題に関連して開示すべきCOIはない。【結果および考察】明度は、ブラケットC3>C1>C2>P1>P2、ワイヤーW2>W3>W1の順に高い値を示した。歯科矯正治療未経験者および矯正歯科医の両群において「ブラケット:C3、ワイヤー:W2」の組み合わせが最も高評価となった。これは、明度および反射率が最も高い矯正装置の組み合わせであった。したがって、矯正装置の明度および反射率が高いほど、審美性の主観的評価は高くなる傾向があると考えられる。【結論】ブラケットおよびワイヤーの明度・反射率が高いほど、審美性の主観的評価が高くなることが示唆された。

リンク情報
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201802256036301751
URL
http://jglobal.jst.go.jp/public/201802256036301751
ID情報
  • 医中誌Web ID : SB16070230
  • J-Global ID : 201802256036301751

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