共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

二枚貝の脳ホルモンが制御する性分化と性成熟ーその分子機構と種苗生産への展開ー

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
20H00426
体系的課題番号
JP20H00426
配分額
(総額)
45,630,000円
(直接経費)
35,100,000円
(間接経費)
10,530,000円

1)噴火湾ホタテガイの生殖周期にともなう雌雄の生殖細胞の発達と退縮観察から、斃死の多い年級群の春季産卵後の異常な夏季の再成熟を見出し、産卵後の休止期の生殖小胞内皮のvasa陽性細胞が常在性の生殖幹細胞であると示唆された。
2)春季の成熟期に雌雄判別しておいたホタテガイに、2種類のpyGnRH(pyGnRH11aaPro-NH2とpyGnRH12aaGly-OH)を低侵襲性の方法で投与し、0、1、2ヶ月経過個体から解析に供する組織を採取した。並行して、卵巣、精巣組織に対する2種類のpyGnRH添加とそれらの相互作用解析のための共添加培養を行い、同様に組織を採取した。生殖細胞発達と性特異的遺伝子及びステロイドホルモン生合成関連酵素遺伝子発現への影響の解析を始める。時間分解蛍光免疫測定法によって、雄の頭部・足部神経節でpyGnRH11aaPro-NH2が、雌ではpyGnRH12aaGly-OHが優勢であったことから、頭部・足部神経節のGnRH分子種が雌雄性に関わっていることが推測された。
3)脊椎動物型エストロゲンE2に対してヒトERα-ERE-Luc HEK293細胞のみが用量依存的に応答し、キメラER- ERE-Luc HEK293細胞は応答しなかった。一方、ホタテガイ卵巣、精巣から抽出したステロイド画分に対しては、キメラER- ERE-Luc HEK293細胞が応答したことから、脊椎動物型とは異なるホタテガイ生殖巣のエストロゲン様物質の存在が示唆された。
4)データベースに登録されている434個のGPCR(Gタンパク共役型受容体)候補遺伝子から機械学習による予測プログラムを用いてpyGnRH12aaGly-OHの受容体候補として11個の候補受容体遺伝子が選ばれ、そのうちの3遺伝子をHEK293MSR細胞に発現させたが、応答は確認されなかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H00426
ID情報
  • 課題番号 : 20H00426
  • 体系的課題番号 : JP20H00426

この研究課題の成果一覧

論文

  5

講演・口頭発表等

  26

産業財産権

  1