2014年
A県の高齢者介護施設における感染症対策のアンケート調査
日本環境感染学会誌
- ,
- 巻
- 29
- 号
- 5
- 開始ページ
- 354
- 終了ページ
- 360
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.4058/jsei.29.354
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本環境感染学会
高齢者介護施設において,感染症対策の実際と課題を明らかにするための調査を行った.A県の特別養護老人ホーム(140か所)と介護老人保健施設(66か所)を対象に,2013年3月~8月に感染症対策に関するアンケート調査を行い81施設(39.3%)の回答を得た.感染症対策としては,マニュアル整備(100.0%),感染症対策委員会の設置(95.1%),職員教育(84.0%)が高率に実施されていた.感染症対策で不十分と考えられる内容としては,職員教育(56.8%),感染症発生に備えた訓練(42.0%)が高い割合を示した.インフルエンザワクチンは職員に高い割合(98.8%)で接種されており入所者に接種していない施設はなかった.インフルエンザのアウトブレイクを毎年認める施設は特別養護老人ホームの1.8%,認める年も認めない年もあるとした施設は特別養護老人ホームの29.1%,老人保健施設の56.0%を占めた.ノロウイルスのアウトブレイクを毎年認める施設はなかったが,認める年も認めない年もあるとした施設は特別養護老人ホームの30.9%,老人保健施設の40.0%に上った.近年,高齢者介護施設では感染症対策の体制整備が進んでいる.しかし,インフルエンザやノロウイルスのアウトブレイクは約3~5割の施設で認められていることから,これらに対応できる体制づくりや教育が必要であると考えられた.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.4058/jsei.29.354
- ISSN : 1882-532X
- J-Global ID : 201402226130977553
- CiNii Articles ID : 130004706471
- CiNii Books ID : AA12313188
- identifiers.cinii_nr_id : 9000272999948