2016年4月 - 2020年3月
宇宙地球系結合機構の実証的研究と次世代電磁気圏探査計画の基盤となる戦略的技術開拓
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
宇宙空間物理学・地球惑星電磁気圏物理学・超高層大気物理学の分野において提案されている宇宙科学探査衛星計画「FACTORS」を推進しており、150-200kg級の新しい衛星システムの開発検討を行った。宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA・ISAS)における公募型小型衛星計画のワーキンググループとして2018年度後半に提案・承認された。JAXA・ISASの戦略的開発研究費への申請も行い、複数探査衛星の編隊飛行による地球環境と宇宙空間との領域間結合過程の実証的研究を遂行するための基盤的技術開発に着手した。特に編隊飛行を維持するための推進系と電界アンテナにおいて搭載位置の対策を講じた。複数衛星構成のため、スウェーデンの国内宇宙プログラムである超小型衛星計画との連携を深めるための議論を行った。このFACTORS衛星計画で必要となる波動粒子相互作用解析に対して観測データを提供する粒子分析器の開発においては、検出器からの出力信号を処理しカウント情報などを得るための処理回路部を設計・試作した。上述の将来探査衛星計画の学術的・技術的検討と並行し、これまでの衛星データを活用し宇宙空間と地球電離圏の間の電磁的結合現象に関連する解析的研究を進めた。具体的には、日本独自のれいめい衛星とNASAのFAST衛星で取得された観測データ、特に地球極域電磁気圏におけるオーロラ電子と地球大気イオンの磁場に対するエネルギー分布に関する観測データを比較検討し、磁力線に平行・垂直方向の準静電的・波動的電界成分による加速過程について調査した。また、地球超高層大気を支配する中性大気粒子ダイナミクスの観点から、FACTORS衛星計画で遂行するのが望まれる熱圏中性粒子観測研究に向けた基礎情報を収集するために過去の研究成果を調査した。特に、真空紫外線観測による大気組成推定手法の本衛星計画への応用を重点的に調べた。
- ID情報
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- 課題番号 : 16H02230
- 体系的課題番号 : JP16H02230