論文

国際誌
2009年8月

「古琉球(沖縄)出土発現元青花瓷器文化交流」

中国国学出版社『元青花与中華文化国際学術論壇論文集』
  • 高島 裕之

開始ページ
102-108
終了ページ
記述言語
中国語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)

古琉球で出土する元青花瓷について,国際学会での発表をまとめた。元青花瓷が出土する遺跡は古琉球では8箇所あるが,破片で出土することが多い。専修大学アジア考古学チームでは,個々の破片について,器形・部位・文様・描法・胎土・釉調などを観察し,種類分けを行ない,個体数を推定した。そして個体数の把握によって,古琉球の元青花瓷器の様相が明確となり,従来西アジア向け輸出陶瓷器と考えられていた認識を改められる点を指摘した。また複数のグスクで見られる大型の器種をみると,盤は,沖縄本島の大規模グスクで出土が確認でき,出土量の多い首里城では,文様の種類も豊富である点,罐は大規模グスクでは例外なく出土し,特に獣耳罐は古琉球の遺址全体の1/2で発見されている点を述べた。そしてグスクでの元青花瓷器の出土状況をみると,小型品から大型品までの青瓷等,東南アジア産の陶瓷器も共伴することから,いわゆる中継貿易のシステムの確立と共に,古琉球にもたらされたと考えられる点,元青花瓷器は明初期の洪武から永楽期(14世紀第4四半期から15世紀前半)の中でもたらされたと考えられる点を述べた。

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