64歳男性。2007年4月，左膝関節外側に皮膚腫瘍が出現した。腫瘍は40×40×40mm大，境界明瞭，可動性良，紅色で易出血性であった。MRIでは，T1強調像で低信号，T2強調像で高信号，脂肪抑制像では抑制効果はなく，造影効果を示した。病理組織像では，巨細胞や多核の異型細胞を含む，多型性に富む腫瘍細胞の密な増殖がみられ，粘液状の間質を伴う部分や，壊死も認めた。また，多空胞状の細胞質と核異型を有し，Alcian blue染色陰性の脂肪芽細胞と思われる腫瘍細胞が散見された。さらに，免疫染色では，vimentin，S100，CD68が陽性，SMA，desmin，CD34は陰性であった。以上より多形型脂肪肉腫と診断した。腫瘍辺縁より，2cm離し拡大切除，全層植皮を行った。現在再発などなく経過良好である。