共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2021年3月

アシンメトリー配位圏を有するバレル型バイオハイブリッド触媒を活用した反応開拓

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
19H04579
体系的課題番号
JP19H04579
配分額
(総額)
4,940,000円
(直接経費)
3,800,000円
(間接経費)
1,140,000円

本研究では、多彩な反応性を示す金属錯体触媒と、精緻な反応場を提供するバレル型タンパク質の融合により、アシンメトリー配位圏を有するバイオハイブリッド触媒を構築し、従来の金属錯体や酵素にはない新たな位置選択性や官能基選択性を付与した合成反応の開拓に取り組んだ。反応性の高いRh錯体を固定化したバイオハイブリッド触媒を活用し、位置選択的な炭素-炭素結合形成反応、また、バレル空孔内に芳香環拡張型のアシンメトリー配位圏を構築し、不斉Diels-Alder 反応を実証した。タンパク質には、強固なベータバレル構造を有するニトロバインディンの疎水空孔を活用して、様々な金属錯体触媒を共有結合により残基選択的に固定化したバイオハイブリッド触媒を開発してきた成果を踏まえて、ペンタメチルシクロペンタジエニル配位子をもつRh(III)錯体を選択し、マレイミドを導入した錯体とニトロバインディンの疎水空孔内のシステインを共有結合的に連結可能な手法を確立した。ジチオリン酸配位子で空配位座を保護したRh(III)錯体をタンパク質に連結後、硝酸銀の添加により、Rh(III)錯体を活性化する手法である。この手法により調製したバイオハイブリッド触媒は、硝酸銀存在下、フェニルオキシム及びアルキンの付加環化反応において触媒活性を示すことを明らかにした。ニトロバインディンの疎水性空孔にグルタミン酸を導入することによって、触媒活性が向上することを見出しており、Rh(III)錯体近傍のアシンメトリー空間の構築を成功した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-19H04579
ID情報
  • 課題番号 : 19H04579
  • 体系的課題番号 : JP19H04579