MISC

査読有り
2008年6月

『神学・政治論』におけるスピノザの信仰理解

宗教研究
  • 富積 厚文

82
1
開始ページ
93
終了ページ
117
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本宗教学会

本稿は『神学・政治論』におけるスピノザ(Baruch de Spinoza,1632-1677)の信仰理解について考察するものである。スピノザによれば、信仰とは啓示的認識においてのみ問題となる事柄であり、またそれは「神に従順であること」を意味する。そして彼は『神学・政治論』において信仰と行いが循環の関係にあることを主張する。つまり行いを成立させているのは信仰であるが、信仰は行いを媒介とすることによってのみ証しされる。スピノザに従えば、この信仰と行いの循環の関係は、或る人間が救済を得るためには、その人間によって、絶えず新たに産み出されなければならないことである。人間たちがその循環を生きるための起動力こそ、「自己で有り続けようとする努力」であるコーナートゥスに他ならない。またスピノザが提示する信仰の根拠は人間たちに対する神の愛であり、その対象は神である。要するに信仰を証示するための行いの根源は、神に由来するコーナートウスである。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006792650

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