共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

初等教育における系統的教科横断型プログラミング学習教材の開発と評価

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H02712
体系的課題番号
JP17H02712
配分額
(総額)
18,460,000円
(直接経費)
14,200,000円
(間接経費)
4,260,000円

本年度は,前年度に構造化を図った英国(イングランド)で定義されているコンピュテーショナル・シンキングを育むための学習課題を元に作成した「プログラミング学習環境Scratchを利用して開発したプログラミング教材」の学習効果について,脳血流量,視線,及び調査協力者へのインタビューから検討した。
検討した方法は,Scratchの基本操作を知らない健康な大学生10名を調査協力者として,実験室を整え(静寂(Dr-40),気温,湿度,照度の条件),34chのウェラブル光トポグラフィ装置WOT-HS34Mを用いての前頭葉の酸化ヘモグロビン(Oxy-Hb)濃度変化と,Tobii Pro グラス 2を用いての視線移動を指標にして,検討した。
その結果,出発点から目的地まで到達する道順を探すようなゲーム的な活動を行う学習は,一見すると論理的思考を育めそうではあるが,場当たり的に何も考えずに試み,失敗を重ね,偶然に目的地に到達するという活動になりやすい。このような活動をさせた場合は,前頭葉の酸化ヘモグロビン(Oxy-Hb)濃度変化はあまり変化しないことが明らかになった。そのため,出発点から目的地まで到達する道順を論理的に推論させてから,推論通り計画的に活動させる学習を意図的に仕組ませることに意味があることが明らかになった。
実験の結果から,系統的な教科横断型カリキュラムや,開発したプログラミング教材の年間指導計画,指導案,モデル教材,ワークシート,指導資料の修正を行い,広島市教育委員会と連携を図り,開発した教材を用いた継続的な実証的研究調査を行い,開発した教材,指導法の再評価を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H02712
ID情報
  • 課題番号 : 17H02712
  • 体系的課題番号 : JP17H02712