2008年11月
多彩な血管合併症を有した多発性嚢胞腎に対する生体腎移植の1例
日本内科学会雑誌
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- 巻
- 97
- 号
- 11
- 開始ページ
- 2791
- 終了ページ
- 2793
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本内科学会
49歳男。全身倦怠感と腹部膨満感を主訴とした。家族歴や諸検査により常染色体優性多発性嚢胞腎による末期腎不全と診断し、腎移植のため入院した。CTにて一部に嚢胞内出血を伴う巨大な多発性嚢胞腎、肝嚢胞、腹部大動脈瘤を認め、脳および腹部血管造影にて左中大脳動脈未破裂動脈瘤と総腸骨動脈瘤を確認した。さらに経食道エコーでは二尖弁による大動脈弁閉鎖不全症と拡張した上行胸部大動脈瘤を確認した。脳動脈瘤コイル塞栓術、大動脈弁置換+上行大動脈瘤置換術を施行し、血液浄化療法による体液管理を行った後、多発性嚢胞腎因子のない腎機能正常の姉をドナーとして生体腎移植を施行した。移植後は免疫抑制療法により拒絶反応もなく1年経過し、プロトコルバイオプシーの結果も良好で腎機能はクレアチニン0.88mg/dlと安定している。
- ID情報
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- ISSN : 0021-5384
- 医中誌Web ID : 2009067751