共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

歌と絵と書の融合芸術としての歌仙絵作品の成立及び展開に関する抜本的総合研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
16K02393
体系的課題番号
JP16K02393
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

継続して行ってきた歌仙絵作品の書式に関する研究においては、本年度は和歌の散らし書きの手法を解き明かす作業を進め、検討と考察を重ねた。具体的に、「三十六歌仙絵」・「百人一首絵」を通し、多様に書かれている実態を調査・整理し、書式の実相を把握するための分類方法につき、先行研究を踏まえながら、検討を行った。「三十六歌仙絵」については、これまで収集調査をしてきた画帖・扁額を含む諸例を、「百人一首絵」については、絵本・かるた類を含め、広く閲覧可能な諸例をそれぞれ広く披見し、検討を続けた。
なお、購入することができた新資料『絵本百人一首』及び『百人一首かるた』も調査対象に加え、書誌調査を行った上で、和歌、図像及び書式の調査と解析を行った。
その研究を進める一方で、「百人一首絵」に関わる考察をまとめ、国文学研究資料館の共同研究成果報告のシリーズとして企画されたブックレット「書物をひらく」の一冊として成果を公刊した。取り上げたのは、「百人一首に絵はあったか」の書名に示す通り、従来から議論がなされ、未だ結論が出ていない『百人一首』の絵の成立に関わる課題である。
近世以降多く描かれた「百人一首絵」は、中世以前の資料に乏しく、成立当初には存せず、後代に描かれたとする説も行われてきた。本書は、『百人一首』とともに『百人秀歌』の編者と認められる藤原定家の活動に即し、残された諸資料の再検討から、当初から存在したと見るのが自然であることを論じた。とりわけ『百人一首』と『百人秀歌』の関係を捉え直すことに重きを置き、成立の場である「嵯峨中院山荘」の構造、及び種々論じられてきた後鳥羽院との関係、とりわけ『最勝四天王院障子和歌』や『時代不同歌合』との相関を検証することを通して、解明を試みた。
また、都留文科大学国語国文学会春季講演会に招待され、「百人一首絵」に関する成果を発表した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K02393
ID情報
  • 課題番号 : 16K02393
  • 体系的課題番号 : JP16K02393

この研究課題の成果一覧

論文

  1

講演・口頭発表等

  2

社会貢献活動

  1