論文

2012年2月

知的障害者における齲蝕原因菌の分布と齲蝕罹患状況との関連

障害者歯科
  • 岡田 貢
  • ,
  • 尾田 友紀
  • ,
  • 小島 太郎
  • ,
  • 岩本 めぐみ
  • ,
  • 時数 智子
  • ,
  • 和木田 敦子
  • ,
  • 長谷 由紀子

33
1
開始ページ
37
終了ページ
41
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本障害者歯科学会

齲蝕の主要な原因菌とされるミュータンス連鎖球菌(mutans streptococci、MS)は、主にStreptococcus mutansおよびS.sobrinusである。本研究では、広島大学病院(以下、本院)障害者歯科外来を受診した知的障害者のMSの分布と齲蝕罹患状況との関連について調査・検討した。対象は、本院障害者歯科外来を受診した知的障害者で、歯垢採取に関して同意が得られた永久歯列を有する18〜29歳の140名であった。デンタルチェアーユニットに仰臥位で人工照明下にて口腔内診査し、齲蝕経験歯数(DFT)を算出した。歯垢採取は、滅菌した歯ブラシを用いて約1分間ブラッシングを行い、15mlの滅菌水の入ったチューブに回収した。その後、通法によりDNAを抽出し、Polymerase Chain Reaction(PCR)法を用いてS.mutansおよびS.sobrinusの検出を行い、以下の結果を得た。MSの検出率は、S.mutansが75.0%、S.sobrinusが83.6%であった。MSの分布状態は、S.mutansあるいはS.sobrinus単独で保有していた者がそれぞれ14.3%、22.9%であった。S.mutansおよびS.sobrinusともに保有していた者は60.7%で、全体の2.1%はいずれの菌も保有していなかった。DFTおよび%DFTにおいて、S.mutans単独で保有していた群とS.mutansおよびS.sobrinus両菌を保有していた群との間に統計学的有意差は認められなかった。しかし、S.sobrinusを保有する群のなかで、S.mutansを保有している群と保有していない群との間に統計学的有意差が認められた。したがって、知的障害者においてS.mutansを保有していることが齲蝕リスクに関与している可能性が示唆された。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 0913-1663
  • eISSN : 2188-9708
  • 医中誌Web ID : 2012178243

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