共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2022年3月

デジタル3D神経病理学の創成

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)  挑戦的研究(開拓)

課題番号
20K20468
体系的課題番号
JP20K20468
配分額
(総額)
25,870,000円
(直接経費)
19,900,000円
(間接経費)
5,970,000円

神経病理学的診断を行っていると、通常の組織標本、つまり2次元平面に薄切した標本の観察では、脳病変を正しく評価できないのではないか、と思うことがある。脳は、つくりが複雑で機能単位がことさら立体的だからである。本研究では、ヒト脳組織透明化・3Dイメージング技術を用いて、ヒト脳における神経細胞やグリア細胞の配列やネットワーク、更には微小血管の分布を3次元で鮮明に捉え、‘立体的機能ユニット’における正常と異常を明らかにする。つまり定量的なデジタル3D神経病理学を創成し、ブレインサイエンスにおける形態学的イノベーションを開拓することを目的とする。そのための技術開発を進め、病理診断の現場や研究におけるデファクトスタンダードに昇華させるため、(1) ‘立体的機能ユニット’を丸ごと解析するための多色繰り返し染色法と、(2) 微細構造観察のための高度組織膨潤透明化プロトコールを開発し、(3) ヒト標準脳3Dマップ “21世紀版ブロードマン地図” を作成する。そしてデジタル3D神経病理学の有用性を実証する計画である。
当該年度においては、ヒト脳組織透明化における最大の光学的課題:自家蛍光および褐変(マウス等の脳を透明化する際には特段問題とはならない)、の克服に成功し、これらを高度に抑制する透明化プロトコール:いわば「ヒト脳組織に特化した透明化試薬」の開発に成功した。また、この手法に適用可能な3D用各種一般蛍光染色およびホールマウント免疫染色技術を確立した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K20468
ID情報
  • 課題番号 : 20K20468
  • 体系的課題番号 : JP20K20468