共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

農産物直売所の空間的競争が直売所運営・出荷行動・6次産業化に与えるインパクト評価

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
17K15337
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本課題は、農業の6次産業化を通じた所得増大の核を担い得る農産物直売所(以下、直売所所)が小売であるため、その空間的競争が懸念され、それに応じた持続的な運営のために適切な制度設計が求められていることに焦点をあて、(1)直売所間競争が直売所に与える影響評価、(2)直売所間競争が出荷者に与える影響評価(3)直売所間競争とそれに対応した直売所内のマネジメント・農業の6次産業化を通じた所得増大との関係(4)直売所の出荷規定要因の分析を行うものである。これらの成果により、直売所の空間的競争に対する理解の深化と同時に、直売所の持続的な運営・制度設計、農業の6次産業化を通じた所得増大に果たす直売所の役割について新たな知見を得ることを目指す。研究の結果の概要は以下の通りである。
(1)~(3):先行研究で危惧されるような過度の競争は現状認められず,外部経済効果に導かれて集積していることが示唆された。また運営者は,直売所の増加を懸念しているけれども,直接の競争戦略を意識せず,まずは直売所内の生産・品質管理の重要性を説いていた。持続的な運営・制度設計として品質に対する高い意識を醸成させる方策は,直売所の販売額や収益率の増大・安定につながっていることがうかがわれた。研究成果はJapanese Journal of Agricultural Economics に掲載された。また、研究成果を研究者以外の方でも読みやすいように取りまとめたものが『アグリバイオ』に掲載された。
(4):非出荷者であっても出荷のフレキシビリティ志向が強い人は,売れ残り商品の買い取りに魅力を感じていた。直売所が出荷者に提供するサービスは出荷者から高い評価をうけていた。新規出荷者の獲得やサービス拡充を図りつつも,既存の出荷者や消費者が離れないようにうまく舵取りすることが求められる。研究成果は日本農業経済学会で報告を行った。

ID情報
  • 課題番号 : 17K15337

この研究課題の成果一覧

論文

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