論文

2019年6月

鍼灸師の臨床能力を継続的に維持・改善するためのマネジメントシステムへの招待

医道の日本
  • 宮崎 彰吾

78
6
開始ページ
160
終了ページ
164
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)医道の日本社

PDCAサイクルの一例として、鍼灸師養成施設に在籍する卒前学生の鍼治療の臨床能力を評価し、開業鍼灸師と比較して課題を把握し、計画を立て、臨床教育を介したあとに、再び評価を行った調査結果を提示した。鍼灸学科に在籍する4年生12人を対象に、模擬患者に対して標準的な鍼治療を45分以内に行ってもらった。模擬患者には、鍼治療を受けた直後にアンケートに回答してもらった。次に、日を改めて、M-Test(経絡テスト)の実技講習を受けてもらった。講習後、対象者には模擬患者に対してM-Testを用いて鍼治療を45分以内に行うよう指示した。「施術者はM-Testを適切に行えていたと思いますか」という質問に対して、Visual Analogue Scaleによって回答してもらったところ、平均値85という評価を受けた。平均年齢38歳、平均臨床経験14年の開業鍼灸師と卒前学生との臨床能力には大きな隔たりがあることが確認できた。臨床教育によって11項目中10項目でポジティブに評価する患者の割合が高くなり、11項目の平均では31%から58%に増した。特に、「治療者の対応」「健康改善度」「支払意思額」は開業鍼灸師を上回る結果となったため、これらの項目に対する教育としてM-Testの修得は有効であることが示唆された。

リンク情報
URL
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2019&ichushi_jid=J00063&link_issn=&doc_id=20190612140019&doc_link_id=40021931249&url=https%3A%2F%2Fci.nii.ac.jp%2Fnaid%2F40021931249&type=CiNii&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00003_1.gif
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ID情報
  • ISSN : 0287-6760
  • 医中誌Web ID : 2019277299

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