2014年9月
食品市場における品質問題と食関連企業の輸入調達行動
農業経済研究
- 巻
- 86
- 号
- 2
- 開始ページ
- 120
- 終了ページ
- 126
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11472/nokei.86.120
- 出版者・発行元
- 岩波書店・日本農業経済学会
本稿は,食市場の不完全性がもつ積極面と品質概念の多面化,アクターの役割を整理した上で,国内食関連企業の輸入農産物・食品調達行動の複雑な展開を明らかにした.中国産野菜の安全性は残留農薬問題の発生を契機に改善がみられるが,なお部分的である.食関連企業には信頼を基礎とするサプライチェーン構築が課題となっている.また,輸入農産物には輸送期間の長期性や輸送ロットの大量性などの物流品質の劣位が不可避である.食関連企業が延期的調達を志向するかぎり,国内農産物に優位性が認められる.もっとも,高付加価値戦略の柱に差別的な品質の輸入農産物が位置づけられる場合があり,品質優位の比較は食関連企業の戦略に依存する面が強い.
- リンク情報
- ID情報
-
- DOI : 10.11472/nokei.86.120
- ISSN : 0387-3234
- CiNii Articles ID : 130005139953
- CiNii Books ID : AN00200867