2021年4月 - 2024年3月
TTF-1の網羅的エピゲノム解析に基づくEGFR-TKI耐性獲得機序の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
CCLE(Cancer Cell Line Encyclopedia)で公開されているRNAシークエンスによる細胞株遺伝子発現データにおいて、KRAS変異肺腺癌細胞とEGFR変異肺腺癌細胞それぞれについて、TTF-1高発現の細胞と低発現の細胞で発現に差のある遺伝子に注目して解析を行った。
Gene Ontology解析によりKRAS変異肺腺癌細胞においてTTF-1は上皮の発達に関与しているということが示唆される結果が出た。一方、EGFR変異肺腺癌細胞においてTTF-1はサイトカインを介したシグナル経路に関与しているということが示された。GSEA(Gene Set Enrichment Analysis)を用いた遺伝子解析においても、同様にKRAS変異肺腺癌細胞では上皮系、EGFR変異腺癌細胞では免疫系の反応に関与することが示された。
KRAS変異肺腺癌細胞株であるH441細胞(TTF-1高発現)及びA549細胞(TTF-1低発現)を用いた実験では、TTF-1の存在下でTGF-βによる上皮間葉転換の誘導が抑制されることが分かった。一方、EGFR変異肺腺癌細胞株であるH1975(TTF-1高発現)及びPC-9(TTF-1低発現)を用いた実験では、TTF-1はTGF-βによる上皮間葉転換を抑制する機能はないことが分かった。
さらに、TTF-1導入株を用いた実験では、A549細胞(KRAS変異)においてTGF-βによる上皮間葉転換誘導が抑制され、PC-9(EGFR変異)において同様の抑制はみられなかった。
今後、TTF-1抗体を用いたクロマチン免疫沈降シークエンスやTTF-1ノックダウン細胞株のRNAシークエンスの解析を進め、TTF-1の制御遺伝子を同定して各種細胞間で比較検討する予定である。
Gene Ontology解析によりKRAS変異肺腺癌細胞においてTTF-1は上皮の発達に関与しているということが示唆される結果が出た。一方、EGFR変異肺腺癌細胞においてTTF-1はサイトカインを介したシグナル経路に関与しているということが示された。GSEA(Gene Set Enrichment Analysis)を用いた遺伝子解析においても、同様にKRAS変異肺腺癌細胞では上皮系、EGFR変異腺癌細胞では免疫系の反応に関与することが示された。
KRAS変異肺腺癌細胞株であるH441細胞(TTF-1高発現)及びA549細胞(TTF-1低発現)を用いた実験では、TTF-1の存在下でTGF-βによる上皮間葉転換の誘導が抑制されることが分かった。一方、EGFR変異肺腺癌細胞株であるH1975(TTF-1高発現)及びPC-9(TTF-1低発現)を用いた実験では、TTF-1はTGF-βによる上皮間葉転換を抑制する機能はないことが分かった。
さらに、TTF-1導入株を用いた実験では、A549細胞(KRAS変異)においてTGF-βによる上皮間葉転換誘導が抑制され、PC-9(EGFR変異)において同様の抑制はみられなかった。
今後、TTF-1抗体を用いたクロマチン免疫沈降シークエンスやTTF-1ノックダウン細胞株のRNAシークエンスの解析を進め、TTF-1の制御遺伝子を同定して各種細胞間で比較検討する予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K16112
- 体系的課題番号 : JP21K16112
この研究課題の成果一覧
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講演・口頭発表等
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第64回 日本呼吸器学会学術講演会 特別報告2 日本呼吸器財団研究助成成果報告―令和3年度受賞テーマ―(令和3年度研究助成/COVID研究助成) 2024年4月5日 招待有り
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第63回日本呼吸器学会学術講演会 呼吸器病学ことはじめ 2023年4月30日