2016年3月
地域に暮らす精神障害者の家族の捉える「回復」に関する一考察
武庫川女子大学看護学ジャーナル
- 巻
- 1
- 号
- 開始ページ
- 63
- 終了ページ
- 68
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.14993/00000795
本研究の目的は、地域に暮らす精神障害者の家族が、「回復」をどのようなものとして捉えているか、どのような要因 がかかわり「回復」像が構築されているかを明らかにすることである。精神疾患の診断を受け地域で暮らしている者と同一の世帯で暮らす家族3名に、対象者の考える「回復」の定義、そう考えるに至った経緯等を尋ねる半構成的インタビューを行い、その逐語録を質的に分析した。3名は、精神障害者本人を長年みてきて生じた確信・思いをもとに「回復」の語りを構築していた。母親の語りからは、親子双方の発達課題が「回復」像の構築に関わっていると示唆された。「回復」が死ぬまでないとする語りは、幻聴に支 配された長年の状況や治療への否定的な受け止めが関わっていた。「回復」への複雑な思いも見いだされ、家族に対して 看護援助を行う際には、「回復」の受けとめにいたる心情を理解することが重要であると考えられた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.14993/00000795
- ISSN : 2424-0303
- CiNii Articles ID : 120005999983
- CiNii Books ID : AA12744044