環状切欠き試験片を用いた異材溶接継手の界面破断評価
日本鉄鋼協会第178回秋季講演大会
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- 開催年月日
- 2019年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 岡山
- 国・地域
- 日本
次世代高速炉プラントでは、高温部にクリープ強度と耐酸化性に優れたオーステナイト系耐熱鋼、蒸気発生器に経済性と耐SCC性に優れたフェライト系耐熱鋼が使用され、これら両鋼を繋ぐ異材溶接継手の溶接材料には、熱膨張係数の差違による界面での応力集中を低減できるニッケル基合金を用いる。異材溶接継手のクリープ破断位置はクリープ試験条件により異なり、フェライト系耐熱鋼とニッケル基合金の界面で破断する界面破断がみられる場合がある。しかし、そのメカニズムについては明らかとなっていない。高速炉設計においては界面破断のような脆性的な破損に関しては考慮されていないため、延性を確保するためにも、界面破断メカニズム解明が不可欠である。そこで、界面破断メカニズム解明に資することを目的に、改良9Cr-1Mo鋼/Alloy 600/SUS304異材溶接継手から環状切欠き試験片を切り出し、クリープ試験を行い、界面破断を意図的に発生させ、界面強度の評価を行うこととした。その結果、単軸クリープ試験で界面破断の報告があるTIGバタリング材の方が界面破断の報告の無いPlasmaバタリング材よりも界面強度が小さくなる可能性が示された。この界面強度の差により、単軸クリープ試験片においてTIGバタリング材でのみ界面破断が見られた可能性があった。