共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年8月 - 2022年3月

裁判員裁判の評議はいかなる「公共性の空間」なのか?-裁判員の認識の量的・質的分析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援  研究活動スタート支援

課題番号
19K23158
体系的課題番号
JP19K23158
配分額
(総額)
2,860,000円
(直接経費)
2,200,000円
(間接経費)
660,000円

本研究は、裁判員経験者の発言を実証的に分析することにより、裁判員裁判の「評議」に関する裁判員の認識を明らかにし、その結果に基づき、評議の場の理想的なあり方やそれを可能とするための方策を探求することを目的とするものである。
研究の2年目では、初年度に引き続き、資料となる「裁判員経験者の意見交換会」の議事録のコーディングと質的分析を進めた。具体的には、まず、東京高等裁判所管内にある裁判所で実施された上記の意見交換会の議事録のうち、初年度に終えられなかった記録のコーディングに取り組んだ。また、少数のデータを対象として分析した結果として既に得られている裁判員裁判における評議に関する仮説について、引き続きその検証を行った。研究の成果については、日本犯罪社会学会における個別報告(2020年度)や菅原寧格=郭舜編『公正な法をめぐる問い』信山社出版(2021年3月)所収の論稿において発表している。
「裁判員経験者の意見交換会」に関する資料については、すべての議事録が裁判所によって公開されているが、資料を横断的に分析した研究はない。したがって、非公開で実施されている評議に関し、その内実の一片を知ることのできるものとして、裁判員経験者がどのような経験をし、どのような認識を持っているかを質的に分析した本研究には意義があると考えている。
今後は、評議の制度設計に関し、司法制度や公共性の空間に関する法・政治理論に関する研究を並行して進め、裁判員裁判の評議の制度設計のあり方に関する議論へとつなげていく予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K23158
ID情報
  • 課題番号 : 19K23158
  • 体系的課題番号 : JP19K23158