MISC

2021年

CTLA-4Igはリンパ節におけるB細胞を減少させ,抗体産生能を抑制する

日本分子生物学会年会プログラム・要旨集(Web)
  • 三浦陽子
  • ,
  • 磯谷俊太郎
  • ,
  • 前田伸治
  • ,
  • 金澤智

44th

【背景】アバタセプトは副刺激シグナル分子のCD80 (B7.1) を阻害する生物学的製剤である。我々は、軟骨および滑膜細胞に特異的にB7.1を発現したD1BCマウスを用い、アバタセプト投与による関節炎抑制能を検討してきた。本研究では、アバタセプト投与による関節炎抑制のさらなるメカニズム解明を検討した。
【方法】D1BCマウスに低濃度のウシコラーゲンIIを免疫し、関節炎を誘導した。関節炎誘導後、アバタセプトまたは、コントロールのSynagis (ヒトIgG) を週3回、合計16回腹腔内投与した。投与期間中は血清を採取し、RF IgG、RF IgMを測定した。関節炎誘導から13週目にリンパ節のflow cytometry解析、関節の免疫染色を行った。
【結果・考察】D1BCマウスへのアバタセプト投与は、関節炎発症を抑制した。アバタセプト投与期間中の血清RF-IgGはSynagis投与群で関節炎誘導前と比較し有意に上昇した。一方、アバタセプト投与群での上昇は僅かであった。アバタセプト投与群のリンパ節ではSynagis投与群と比べてB220陽性B細胞の有意な減少がみられた。また、関節部の免疫染色の結果においても、アバタセプト投与はマクロファージを含むリンパ球系細胞の浸潤を減少させた。以上の結果から、アバタセプト投与はB細胞数および抗体産生能を低下させ、関節炎を抑制することが示唆された。

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https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202202252831147883
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  • J-Global ID : 202202252831147883

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