共同研究・競争的資金等の研究課題

2001年 - 2002年

マレーシア・サラワク州における民族再編と地域構造変化

文部科学省  科学研究費補助金(奨励研究(A), 若手研究(B))  奨励研究(A), 若手研究(B)

課題番号
13780059
担当区分
研究代表者
資金種別
競争的資金

本研究では,マレーシア・サラワク州における現地調査を中心にデータ収集を行った。具体的には,マレーシア最大の河川ラジャン川の上流域において,人の移動を中心とする社会的な動きについての調査を行った。
当該地域には,1960年代から70年代にかけて,インドネシア・カリマンタンから移住してきたクニャ人の集落が点在している。当時の移住の理由は,カリマンタン側における人口圧が高まり土地が相対的に不足したこと,砂糖や塩などの日常品購入の面でサラワクに居住する方が便利であったこと,そして,間接的ではあるが,1960年代後半のインドネシアとマレーシアの間の政治的緊張がこの地にも及んで,安定した生活を求めた人たちがサラワク側に流れたこと,である。
しかし,こうした移住の波とは別の動きが1990年代半ばから顕著になった。それは、サラワクの木材伐採企業が,当該地位に木に伐採キャンプを開き,インドネシアからの非合法入国者を重要な労働力として使用し始めたことによる。インドネシアのクニャ人のサラワクでの非合法就労は,1950年代から行われていたことではあるが,1990年代に入ってその数は激増し,国境付近の地域社会に大きな変化をもたらした。注目すべきことは,こうした非合法入国者が,60年代以降に移住してきた集落をベースとして,ラジャン川最上流域での就労活動を展開しており,国境を越える新たな人的ネットワーク形...

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/p/13780059
ID情報
  • 課題番号 : 13780059