A大学で平成27年度に急性期看護実習を終えた看護学科3年生47名のうち、同意が得られた学生の手術室見学実習の実習レポートに記載された内容を分析し、学生の学びの内容を「理解」と「気づき」「実施」として明らかにした。44名の実習レポートを分析対象とした。分析の結果、「理解」は「患者の人生に影響を及ぼす手術療法の特徴」「手術室看護師に必要な合併症予防の実践」などの五つのカテゴリーが抽出された。「気づき」については、「手術を受ける患者の心理的状態」「合併症を予防するための手術室看護」「手術室で実施される感染予防対策」などの10カテゴリーが抽出された。「実施」については「受け持ち患者の緊張の緩和を目的とした看護援助」の1カテゴリーが抽出された。学生は術中看護を術前から術後までの継続看護の一環として捉えることができていることが示唆された。手術室という特殊な環境だからこそ学生は看護師としての在り方を学ぶことができたと考えられた。