本研究は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)療養者の今を生きる想いや生き方に関する考え方を明らかにし、今後の在宅看護において看護師が療養者と向き合い、療養者を支援するための看護支援の在り方を検討することを目的とした。元看護師で非侵襲的陽圧換気療法(Noninvasive Positive Pressure Ventilation:以下、NPPVとする)による呼吸管理をしている女性40代のALS療養者1名に半構成的面接を反復的に行い、質的に分析を行った。その結果、『気管切開に関する意思決定支援についてALS療養者と看護師の視点から考える』(32.1%)、『生かされていることに感謝し生き方へのこだわりを持ち自分らしく生きる』(30.9%)、『ALS療養者の立場から医療・看護に対する想い』(21.0%)、『進行する病状と向き合う』(12.4%)、『療養生活と社会資源』(2.5%)、『次世代への期待』(1.2%)であることが明らかになった。このことより、普段の生活の中でALS療養者が感じていること、また訪問看護師の意思決定支援における看護支援の在り方の中では、ALS療養者の人生を尊重することが重要であることなどが示唆された。(著者抄録)