2012年11月
精神科病棟入院が統合失調症患者の体重および糖代謝に与える影響
臨床精神薬理
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 15
- 号
- 11
- 開始ページ
- 1857
- 終了ページ
- 1862
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)星和書店
急性期治療のため入院した統合失調症患者160名の内、入院時body mass index(BMI)が25kg/m2以上の患者53名(33.1%)について、入院時と退院時のBMIおよび血液・生化学検査値を調査した。平均在院日数は114.4±90.0日であった。入院時に比較し、退院時ではBMI(p<0.001)、空腹時血糖(p=0.039)が有意に減少した。53名中17名(32.1%)が退院時に標準体重となり、入院時と退院時で肥満、過体重、標準体重の割合が有意に異なっていた(p<0.001)。入院から退院までのBMI変化量と入院期間は、負の相関を示した(r=0.597、p<0.001)。本研究では、外来で過体重/肥満であった統合失調症患者が精神科病棟に入院することで、過体重/肥満が改善に向かうことが示された。これは、外来時の偏った食生活が入院によって是正されたことによると考えられる。外来治療中の統合失調症患者の方が入院患者に比べて過体重/肥満の割合が多い可能性が示唆され、外来では患者の食生活および身体的健康により配慮すべきかもしれない。(著者抄録)
- ID情報
-
- ISSN : 1343-3474
- 医中誌Web ID : 2013010266