共同研究・競争的資金等の研究課題

2014年4月 - 2016年3月

軽い右巻きニュートリノの宇宙物理と実験検証

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
26105508
体系的課題番号
JP26105508
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,510,000円
(直接経費)
2,700,000円
(間接経費)
810,000円
資金種別
競争的資金

素粒子標準模型の抱えるニュートリノ質量、宇宙暗黒物質、および宇宙バリオン数の問題を同時に解決する可能性として、新しい素粒子、「電弱スケールよりも軽い右巻きニュートリノ」に着目した。特に、この粒子の実験による検証可能性について検討を行った。
<BR>
今年度は科研費のサポートを受け研究が進展し、合計6編の論文を発表した。内訳は、査読付き論文に発表済みが3編、論文に投稿中が2編、会議紀要が1編が1編である。また研究成果は、国内外の研究会で多数発表してきた。特に、国際会議2回を含む計4回、招待講演を行った。
<BR>
注目すべき研究成果としては、J-Parc加速器にて計画されているCOMET実験において軽い右巻きニュートリノを探索する手法を提案した。COMET実験は、大強度ミューオンを用いてレプトンフレーバーを変えるミューオン電子転換過程を探索する実験である。本研究では、この実験装置をそのまま用い、質量が1MeVから100MeVの右巻きニュートリノを探索する方法を提示した。この領域であるとCOMET実験において大量に生成するミュー粒子の崩壊から右巻きニュートリノが生成可能である。さらに、1MeVよりも重いと右巻きニュートリノはニュートリノと電子対へ崩壊する。この電子対の発生をシグナルとした。我々の解析から、COMET実験での右巻きニュートリノの感度は、CERNでのPS191実験が制限した領域と同程度であり、これまで未探索の領域まで達することが判明した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-26105508
ID情報
  • 課題番号 : 26105508
  • 体系的課題番号 : JP26105508