共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2023年3月

Navier境界条件の再定義:固体面における流体力学的境界条件の構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K03929
体系的課題番号
JP18K03929
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円

昨年度までに開発した平衡および非平衡な系を用いた固液摩擦係数計測手法を発展させて,フィッティング関数等の付加的な情報なしに流体力学的境界(壁)位置と固液摩擦係数を同時に同定できる手法を考案し,以前に計測を行ったものと同一のLennard-Jones系に適用して手法の妥当性を確かめた.この新手法を適用したところ,フィッティング関数を用いた手法では定数としていた流体力学的境界位置に実は周波数依存性があり,高周波な壁面の動きに対しては境界位置が壁表面に近づくということがわかった.
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本研究の工学応用を見据えた,Navier境界条件に対する埋め込み境界法(この手法により複雑形状境界上で滑り速度が発生するような流れ場の解析が可能となる)の開発も継続して行った.本研究ではNavier-Stokes方程式と複雑な熱流動方程式を連成することを視野に入れて,埋め込み境界射影法(Continuous-Forcing法の一種)をベースとした手法開発を行っている.従来のContinuous-Forcing法の枠組みではNavier境界条件のように微分を含む境界条件を精度良く離散化することが困難であるという問題があったが,今年度の研究ではこの問題に対し保存則に基づく解決策を考案し,様々な検証問題において良好な計算結果が得られることを確認した.
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これまでで単相流に対するNavier境界条件については一定の成果が得られたので,当初計画にはなかった接触線を伴う流れに対するNavier境界条件についても調査を開始した.今年度はMethod-of-Planeにおいて保存則を満たすように対流を評価する手法を開発し,分子動力学法による計算結果から接触線近傍での微視的な応力分布を得ることに成功した.これは先行研究においても例のない成果である.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K03929
ID情報
  • 課題番号 : 18K03929
  • 体系的課題番号 : JP18K03929

この研究課題の成果一覧

論文

  14

MISC

  1

講演・口頭発表等

  10