MOXペレットの焼結挙動に及ぼす焼結雰囲気中の水素/水分比の影響
日本原子力学会2010年春の年会
- ,
- ,
- 開催年月日
- 2010年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 水戸
- 国・地域
- 日本
核燃料に用いられる酸化物ペレットの焼結特性はO/M比によって大きく変化するため、焼結中のO/M比と焼結挙動の関係を把握することが重要である。焼結雰囲気に用いられる水素ガスには微量の水分が不純物として含まれるため、H$_{2}$+1/2O$_{2}$=H$_{2}$Oの平衡反応によって決まる雰囲気中の酸素分圧及び温度に依存してペレットのO/M比が焼結中に刻々と変化する。しかし、高速炉燃料に用いられるMOXペレットについて、水素/水分(P$_{H2}$/P$_{H2O}$)比の調整により雰囲気中の酸素分圧を精度良くコントロールした環境下でのO/M比と焼結挙動の関係についての報告はなされていない。本試験では、雰囲気中のP$_{H2}$/P$_{H2O}$比をパラメータとして焼結中のMOXペレットの重量変化と収縮量を測定し、MOXのO/M比と焼結挙動の関係を評価した。P$_{H2}$/P$_{H2O}$比の減少に伴ってMOXのO/M比が高くなるとともに試料の収縮速度のピークが低温側にシフトする傾向が確認された。また、SEM観察結果より、P$_{H2}$/P$_{H2O}$比の低下に伴って結晶粒径が増加しており、ペレットの微細組織も雰囲気中のP$_{H2}$/P$_{H2O}$比に影響を受けることを確認した。