共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

高感度デジタルELISA法によるアルツハイマー病血液バイオマーカーの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
18K15461
体系的課題番号
JP18K15461
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

超高感度デジタルアッセイ技術であるSimoa(Single molecular array; 米国Quanterix社)を導入し,世界で初めて,ヒトの血液中でアルツハイマー病(AD)コア・バイオマーカーの1つであるp-tau(リン酸化タウ蛋白)をfg/mLのオーダー(従来のELISA法の1000倍の感度)で検出できる定量系を開発することに成功している。より安定的で再現性の高い測定をおこなうために、多施設で取得したサンプルでの測定をおこなった。安定してp-tauは測定できていたが、溶血などの条件下では、測定にバラツキが出たり、測定ができないことがあった。今後は、より多くのサンプルを測定することでエラーの出る要因を突き止め、測定系の改良につなげていく予定である。
また、近年、神経変性疾患の血液バイオマーカーとして注目されているNF-L(ニューロフィラメント軽鎖)のSimoaによる測定にも着手し、血液、髄液中で安定して測定することができるようになった。これらの技術を応用し、ダウン症候群患者の血液にて、NFL測定をおこなったところ、コントロール群と比較して有意に高値であることがわかった。また、両群において年齢と血漿NF-L量との間には有意な相関関係が観察されたのだが、この年齢依存性のNF-Lの上昇は、対照群と比較してダウン症候群患者の方が強くみられた。これらの結果は、血漿NF-Lが成人ダウン症候群患者の認知症を予測するにあたって、客観的なバイオマーカーとして役立つ可能性があることを示唆するものとなった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K15461
ID情報
  • 課題番号 : 18K15461
  • 体系的課題番号 : JP18K15461