2017年4月 - 2023年3月
SNRIの疼痛緩和メカニズム探索に関する基礎および臨床の連携研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
本研究は、慢性疼痛に対するセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の治療効果の指標として、末梢血中のセロトニンやノルアドレナリン再取り込み部位(SERTとNAT)タンパク質の発現量あるいはセロトニンやノルアドレナリン濃度がなり得るかどうかを、疼痛性障害患者および慢性疼痛モデル動物である坐骨神経部分結紮(PSNL)マウスについて検討している。以下の2つのパートから構成される。1,疼痛性障害患者のセロトニンおよびノルアドレナリン関連分子の変化、2,PSNLマウスの疼痛行動および精神行動の評価およびマウスの脳内と末梢血中のセロトニン関連分子の測定および関連解析 これらの結果として、脳内‐血液間の関連性検証からSNRI による疼痛緩和効果メカニズムの明確化を目指す。1については、疼痛性障害患者に対してSNRIの疼痛改善効果に影響を与える要因として、末梢血のセロトニンやノルアドレナリン再取り込み部位(SERTとNAT)の発現やセロトニンやノルアドレナリンの濃度等について検討した。2については、PSNLマウスの疼痛行動を評価するためVon Frey試験における機械刺激に対する閾値およびプランター試験における温熱刺激に対する逃避行動潜時を測定した。精神行動を評価するため、自発運動量、ショ糖嗜好性試験におけるショ糖嗜好割合、強制水泳試験における無動時間を測定した。また、PSNLマウス1個体から脳組織と末梢血とを同時に採取し、セロトニン関連分子のタンパク質の変化が中枢と末梢血で相関しているかどうか関連解析した。PSNL/偽手術マウスの腹部大動脈採血より末梢血を採取して血小板を分画し、同時に脳組織(前頭前皮質および海馬)を採取して、各検体における総SERTおよびユビキチン化SERTタンパク質の発現量をウエスタンブロティング法により測定した。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K10325
- 体系的課題番号 : JP17K10325