共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

光学投影による磁界の三次元分布情報の取得と磁気微粒子の高精度位置検出への応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K04166
体系的課題番号
JP18K04166
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究の目的は,交流励起磁界を生体ファントムに印加し,内部に配置した磁気微粒子集合体から発生する交流応答磁界の三次元分布を,光学式磁界センサによって取得することである.最初に,センサヘッドとなるガラスセルへのアルカリ金属の封入を実施した.封入に必要な真空系の構築とガラス加工によるガラスセルの接続を行った.ガラスセルの精度に問題があり真空漏れなどが生じたが,最終的には測定に使用できるものを作製することができた.次に,磁界分布を得る新規手法として,測定空間の磁界分布をミラーアレイデバイスへ光学的に投影し,ミラーの走査によって高精細な画像化を実施した.空間的に均一な磁界を発生させた場合と,局所的な信号源を配置し,そこから磁界を発生させた場合の磁界分布について,サブミリメートルの空間分解能で測定した.得られた結果は,理論計算で得られた強度分布画像との比較を行い,良い一致を示した.測定によって得られた画像と理論計算による画像を用いて逆問題を解くことで信号源の高精度な位置検出を実証した.0.5 mmの信号源を1.25 mmの深さに配置した場合の推定位置は1.41 mmとなり,高精度な位置推定が実現できた.また,当初計画とは別に,得られた信号の位相を解析することで,測定磁界の方向の特定ができた.アンペールの法則で知られているような,電流を取り囲む磁界の強度と方向をベクトル図として示すことができ,これらの結果を利用することで,信号源の位置推定においてさらなる高精度化が期待できる.

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-18K04166/18K04166seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K04166
ID情報
  • 課題番号 : 18K04166
  • 体系的課題番号 : JP18K04166