共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

活性型リン酸カルシウム噴射による生物学的象牙質改質法

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K10144
体系的課題番号
JP19K10144
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

ヒトの歯のエナメル質や象牙質は,長年にわたる外力や温度変化,食品に由来する化学的刺激により,特にその表層において多数の微小亀裂が生じていることが判明している.やがて歯の破折を誘引すると見られることから,その長寿命化には,経年的に発生した象牙質内部の微小亀裂を修復して,歯牙破折の芽を摘むのが肝要である.今年度は,活性型リン酸カルシウム噴射により象牙細管内にCaを浸透させ,微小亀裂を修復すると共に,象牙細管封鎖による象牙質知覚過敏症治療の効果を併せ持つ象牙質改質法を評価するため,細管封鎖性を評価する象牙質液透過量の経時的計測法を製作した.ヒト健全抜去智歯の歯冠部における歯髄腔の髄角上から,咬合面方向に1.0mm厚でディスク状にスライスした試験片を調製し,象牙細管開口面に30%リン酸溶液にて30秒間エッチングしてスメア層を除去したものを試料とした.スライス両面に対し,外径φ10mm,内径φ5mmの銅製管を,封止用Oリングを介して挟み固定,スライス面間を連絡する象牙細管を通過する経路に象牙質の液透過性を計測する様式とした.片方の管に精製水を注入,試験片を通過して対側の管内に吐出した液量をフローセンサー(LG16-0150d: センシリオン)にて経時的に計測した.吐出側の銅管側面部に熱伝導性グリスを介して接着した水冷ペルチェ素子により,吐出側の銅管を冷却するものとし,温度差最大20度まで急冷できることを確認した.片側の象牙質表面が冷却される効果を期待するが,実際の冷却効果を確認することが出来なかった.次年度では象牙質表面温度の計測を可能とするシステムを構築する予定である.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K10144
ID情報
  • 課題番号 : 19K10144
  • 体系的課題番号 : JP19K10144