2018年
診断に難渋した豊胸術後乳癌の一例
滋賀医科大学雑誌(Web)
- 巻
- 31
- 号
- 1
- 開始ページ
- 24‐29 (WEB ONLY)
- 終了ページ
- 29
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 滋賀医科大学雑誌刊行会
症例は53歳女性。16年前に美容目的に豊胸術を受け、10年前から前医で超音波検査による検診を継続していた。右乳房に違和感を自覚し前医を受診。右乳房AC領域に超音波検査で不整形低エコー域を認め、穿刺吸引細胞診を2回施行したがいずれも鑑別困難の診断であった。3ヵ月後の再診時に同病変の増大傾向を認めたため、バッグ破損の可能性を十分説明した上で針生検を施行しDCISと診断された。乳房再建の希望強く当院へ紹介、術前精査のCT、MRIにて超音波検査では認められなかった右乳房D領域にも病変を認めた。右乳癌TisN0M0 Stage0の術前診断のもと、シリコンバッグ抜去を伴う右乳房切除術+センチネルリンパ節生検+ティッシュエキスパンダー挿入術を施行した。術後病理組織診断で右乳房AC領域、D領域ともにDCISと診断された。根治術から8ヵ月後にシリコンインプラント入替術を施行した。本症例は定期的な検診を受けていたため乳癌の早期発見に至り、一次二期再建が可能であった。豊胸後乳房は精査困難なことが少なくないが、豊胸術後乳癌は一般の乳癌に比べ進行例で発見されることが多いとの報告もあり、乳癌を疑った場合には、マンモグラフィ以外の通常の診断法により積極的に確定診断をつけることが重要であると考えられた。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0912-3016
- 医中誌Web ID : 2019114459
- J-Global ID : 201802219641347339